電子デバイス産業の川上から川下に亘る横断的戦略組織

NEDIAマガジンNo.14 概要

NEDIAマガジンNo.14 2018 Summer 概要

ー特集 景気の行方ー

   

NEDIAマガジン第14号表紙

2018 Summer

 

P3

 巻頭言       詳細下記>>

 

半導体産業の人材不足問題にもう猶予はない

浜島 雅彦  SEMIジャパン 代表

 

 

 特集 景気の行方
 
P4

自動車世界戦争がもたらす電子デバイスインパクト

~センサー、マイコン、電池などで世界制覇する日本企業に注目~

泉谷 渉   (株)産業タイムズ社 代表取締役社長

 
P7

半導体製造装置動向から探る

和田木 哲哉 野村証券(株)グローバル・リサーチ本部

エクイティ・リサーチ部エレクトロニクス・チーム

マネージング・ディレクター

 
  
 P10

 2018年 NEDIA活動方針

~5周年を迎える2018年度は、次につながる基盤確立の年に~

NEDIA事務局

  
 P12

 第5回電子デバイスフォーラム京都

 ~一大飛躍で電子デバイス200兆円市場が見えてきた!!~

NEDIA事務局

   

 P14  Infomation

表3  【広告】日総工産株式会社

表4  NEDIA 会員リスト


 

□NEDIAマガジンNo.13 巻頭言

浜島 雅彦 (はまじま まさひこ)

1983年 名古屋工業大学卒業 

 東京エレクトロン株式会社入社

1994年 Tokyo Electron America, Inc.

     の立ち上げに参画

2003年~ Timbre Technologies, Inc

 . 社長などグループ会社の経営職を歴任

2015年 Tokyo Electron US. Holdings,

     Inc.経営統合オフィスリーダー

2016年 東京エレクトロン株式会社

     執行役員 経営戦略担当

2017年12月 SEMI ジャパン代表に就任

 

 

  ビジネスの持続的発展には、それを担う優人材継続的獲得不可欠です。これ街角商店から、世界のリーディングカンパニーまで、あらゆる業種業態共通するといえるでしょう。半導体バリューチェーンもその例外ではなく、むしろその重要性他産業よりもいとえられます。

 なぜなら、半導体産業の発展の歴史は、イノベーションの歴史だからです。ムーアの法則によって予測されたように、半導体は高集積化によってコストを下げ、市場を拡大してきました。高集積化のエンジンであった微細化には、何度となく限界が訪れましたが、それは常にイノベーティブなブレークスルー技術によって突破されました。位相シフトマスク、PC、化学増幅型レジスト、CMP、Cuダマシン配線、Low-K 層間絶縁膜、ダブルパターニング等々の歴史です。そしてその現場には、新しいアイディアに挑む若いエンジニアたちが必ずやいたに違いないのです。

  しかし半導体産業は、今やGoogle、Facebook、Apple などの花形IT 企業と、優秀な人材を取り合わなければなりません。しかも学生は、どうやら半導体産業よりもIT 産業の方がクールで収入も多い選択肢だと考えているようなのです。これは由々しき事態です。人材不足は、半導体バリューチェーン各社の問題を超えた、業界全体の死活問題となっていると認識すべきでしょう。

  SEMI はこれまで、世界9 か国7,500 人以上の高校生を対象に、STEM(科学、技術、工学、数学)教育への興味を促すハイテク・ユニバーシティー活動を実施してきました。 また、日本ではSEMI が主催する展示会SEMICON Japan にあわせて、MIRAIGAKKO という人材開発活動を展開しています。これは、大学生向けの業界オリエンテーションや、高等専門学校の研究成果展示、若手社員によるハッカソンなど多彩なイベントを3 日間で提供するものです。

 しかし、SEMI のプレジデント兼CEO アジット・マノチャは、「才能ある人材を獲得することは、すでに危機的状況を迎えています。シリコンバレーだけでも、SEMI 会員企業は何千人規模もの人材不足を抱えています。世界的な不足は1 万人以上になるでしょう」と主張し、今年1 月にはSEMI 会員へ協力を呼びかけました。学生が、半導体バリューチェーンに魅力を感じてもらうための施策を早急に打ち出そうということです。

 私たち業界人からすれば、GoogleもFacebookもApple も半導体があってこその製品、サービスであることは明らかです。しかし、残念ながら半導体製品は消費者の目に見えません。最新型のスマートフォンには感激しても、その中身の部品をあれこれ論じるのは、相当なマニアに限られるでしょう。彼らを非難することはできません。皆様はご自分のリビングのテレビにどんなマイコンが使われているか、ご存知でしょうか?

 ましてや、SEMI 会員企業が提供する半導体を製造するための製品や技術は、さらに消費者の目から離れた場所にあります。いかにして、あらゆるテクノロジーの集大成である半導体が、未来を支えチャレンジに富んだクールな産業であり、若者たちが目指すべき職場であることをわかっていただけるか、そのためにはかなり思い切った施策が必要であり、それこそがSEMI の活動の大きなテーマとなっています。

  この問題は日本においても深刻であり、せっかく半導体バリューチェーン企業に内定をきめた学生が、半導体業界には就職するなと親に反対されたという話も聞いています。これは採用を進める各社の努力だけでなく、NEDIA の皆様をはじめとする全ての関係業界団体、企業が力を合わせ、自らの力で取り組むべき重要課題です。またメディアの協力もぜひともお願いしたいところです。

 ぜひ、業界の力を結集して、「半導体はクール」であるとの認識を若い世代に拡散し根付かせましょう。

 


 

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