電子デバイス産業の川上から川下に亘る横断的戦略組織

設立趣意

日本電子デバイス産業協会(NEDIA)設立趣意

世界のITハード産業は約120兆円となり、米国勢、アジア勢の健闘が目立つ一方で、我が国の後退ぶりは眼をおおうものがあります。

 TV、パソコン、ケータイ(スマホを含む)の3大製品分野で大きく負け続けており、また巻き返しに向けての展望も開けないという有様です。

こうした状況下にあっても、我が国の電子デバイス産業はいまだ健在ぶりを示してnediasetsuritsushuiおり、電子回路基板や一般電子部品の分野は世界トップシェアを死守しています。

液晶産業については、台湾・韓国に大きく引き離されていますが、中小型ディスプレイでは世界№1の技術と量産を誇っており、次世代有機ELの開発においても先行しているのです。

太陽電池は今や中国勢がシェア63%を持つという状勢ですが、日本勢はステップ数が圧倒的に少ない有機薄膜技術を使った新バージョン開発で逆転を狙っています。

リチウムイオン電池は韓国勢がトップに立ちましたが、日本の技術陣はリチウム空気電池などで先行しており、また燃料電池はブッチ切りトップの技術を保有しています。

かつて世界の頂点に君臨した半導体産業は、世界2位(シェア16%)を保持しているとはいえ米国に大差をつけられ、韓国・台湾などアジア勢の急追を受けている状況です。エルピーダメモリは経営破たんしてマイクロンに買収され、多くの半導体メーカーが苦戦を強いられ設備投資も低調です。しかし一方で、CMOSセンサーではソニーが世界首位に立ち、今後の大型投資実行でウエハー能力倍増の12万枚を計画し、さらなるシェア拡大を狙っています。

また、環境エネルギーや家電の分野で活躍するパワー半導体のIGBTにおいても三菱電機、富士電機などの日本勢が世界シェアの75%を押さえています。

LEDでは日亜化学工業が世界トップを走り、車載マイコンではルネサスが世界トップのシェア40%を保有、東芝はNANDフラッシュメモリーでサムスンとトップ争いを演じるだけでなく、次世代メモリーのMRAMにおいても世界最先行の量産技術を確立しています。ニッポン半導体はこうした個別の戦いぶりを見れば、決して負けてはいないのです。

しかして、最大の問題点は日本勢の個別の強みが有機的に結合されることなくバラバラになっているため、大きな戦いの勢力を結集できないことにあります。また、日本全体の成長戦略の将来像は全く描けておらず、どの方向に向かっていくというロードマップも示されておりません。

少なくともITの成熟化は世界的に進行しており、ここでの戦いは消耗戦の様相を呈しています。電子機器をまともに購入できる世界人口が22億人程度しかいないのに、ピークでケータイ年間12億台、パソコン同4億台、液晶TV同2億5000万台となり、ITはもはや限界成長率に達していることは明らかです。このため、電子デバイス全体の次の方向性を見つけていく戦略組織が必要になってきています。マーケティング戦略なき戦いはコンパスなしで海路に出るのに等しく、ニッポン電機産業はこの点で外国勢に多くの遅れをとっているのです。

日本電子デバイス産業協会(NIPPON ELECTRONIC DEVICE INDUSTRY ASSOCIATION=略称NEDIA)は、こうした状況下においてニッポンのデバイス産業の羅針盤を示す機関として発足するものです。脱IT分野の筆頭格ともいうべき医療産業(ここ10年間でIT120兆円をしのぐ140兆円産業に急拡大)、爆発的に伸びるといわれる航空機産業(現状の自動車市場と並ぶ300兆円市場が予測)、シェールガス登場で革命が起きるといわれる次世代自動車産業(500兆円市場が展望され電子デバイス搭載が加速)、さらには世界的課題となっている省エネ・新エネ産業(インバーター、再生可能エネルギー、LNG関連)などにFOCUSした産業像の未来を探り、そのシナリオを作り、死に物狂いの開発を協業化し、多くの有機的連携を果たしていくための組織としてNEDIAは重大な使命を担っての出発となるのです。


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