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■NEDIA・JAST部会主催「第三回勉強会」の開催

「フィリピンの半導体産業とEMS~マニ ラT3シンポジウム講演内容と

フィリピンの産業状況 ~」

「電子デバイス新時 代の到来 ~ M2Mという新概 念でソシアルデバイス1兆個の 消費 ~ 」

◯2014年5月12日(月)12:55~ 、 ◯御茶ノ水めっきセンター

 2014年5月12日(月)12:55-から御茶ノ水めっきセンター4 階会議室において、JAST 部会 主催の「第三回勉強会」を開催 しました。定員60名の会場で73名の多数の参加(うち会員外15 名)をいただき、追加席を準 備して対応するという活況の中 で開催させていただくことがで きました。

司会はNEDIA事務局次長の小林鬨司氏が務め、「第三回勉強会」を開始しました。

 

 

 最初のご講演は、「フィリピンの半導体産業とEMS~マニ ラT3シンポジウム講演内容とフィリピンの産業状況 ~」 と 題し、㈲AIT代表取締役の加藤 凡典氏にご登壇いただきました。

(有)AIT  代表取締役  加藤凡典  氏

(有)AIT 代表取締役 加藤凡典 氏

 まずフィリピンの特徴を織 り交ぜながら、マニラT3シン ポジウムの内容を話されました。

フィリピンのインフラには若干の問題点があり、一つは電気料金で、普通の作業者の給料月額 が2万円程度に対して、日本と 同程度の料金で割高となってお り、またもう一つは水の問題で、 ルソン島にある大きな湖に、人 口が増加しつつあるマニラなど の生活排水が流れ込み水質が悪 いということをあげられました。

 続いて、フィリピンの産業への取り組みは、技術開発・付加 価値の創造等へ自ら投資して立 ち上げて行くということではな くて、海外の企業や機関へのあ なたまかせの傾向があるので、 自分たちで産業を育てられるよ うに、日本の経験、知恵等を活 用し、フィリピンに役立って行 くという考えを述べられました。

  またマニラT3シンポジウム には、大統領も出席され、また マニラ新聞にも記事が記載され ており、半導体は重要だと認識 されていることを示されました。 フィリピンでいうEMSは下 請けで、自ら付加価値を付けて いないということなので、それを独自で新たなビジネスを立ち上げていけるように、具体的に は、

①半導体産業の技術の実態 と近未来の状況及びフィリピン への提案、

②環境改善技術と自 然の持つ力(バイオ、水、セラミ ックなど)の有効利用の紹介、

③ センサーネットワーク及び MEMS センサーの先端技術と 実用例の紹介を行っていく

と表 明されました。

  フィリピンの人は実験道具を使ってやるものづくりは不得手 だが、PC があればできるソフ ト関係は得意で、英語圏である ので日本語を学ぶ人が少ないな どの特徴がある。 また90%クリ スチャンということもあるだろ うが、会社へのロイヤリティが 高くストライキやロックアウト などの労働争議は殆どないとの データを示されました。

  最後に今後フィリピンに注目 して行ったらよいだろうとの見 解を示され、講演をしめられま した。

  

 つづいて、「電子デバイス新時 代の到来 ~ M2Mという新概 念でソシアルデバイス1兆個の 消費 ~ 」と題し、㈱産業タイ ムズ社代表取締役社長の泉谷渉 氏が講演されました。

(株)産業タイムズ社  代表取締役社長  泉谷 渉  氏

(株)産業タイムズ社 代表取締役社長 泉谷 渉 氏

 最初に日本経済の全体的見方 で、アベノミクスは景気回復に 貢献はしているが、国内の投資 が増えて来ていないところに問 題点がある。 産業的にみると、 ニッポンの自動車産業は我が世の春であるが、我々の半導体は 世界シェア10%、LCDは7%と 低迷しているが、一般電子部品 は市場が20兆円を超え、今後数年で半導体を上回る可能性が強 い。日本の一般電子部品は素材 の力、装置の内製、スマホ・タ ブレット・自動車など高成長分 野に集中し、世界シェア43%と 大きなシェアを得ており、今後 半導体とのモジュール化を目指すだろうとの見解を述べられた。

 医療分野は、IT産業を上回る 規模に増大してきているが、世 界の人口増、先端医療の進歩で 今後大いに期待され、特に重粒 子線では日本は世界で先端の技 術力を持っている。 アベノミク スでの世界22か国への病院展 開による12~15万床分の医療 機器を日本が供給することにな るので期待が持てるとのことで す。

  また、M2M(Machine to Machine)という新概念が出て 来ており、構造物、自動車、農 業、家電などに数え切れないほ どのセンサーが装着され、それ がネットワーク接続され自律的 にコントロールして行くということで、今後の半導体市場を大きく伸ば州だろうとの見通しを示された。

  司会の小林鬨司事務局次長の 閉会挨拶により、第三回勉強会 は盛況のうちに終了しました。


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