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「第四回 JAST 部会勉強会」の報告

・解水の基本特性及びリードフレーム表面処理への応用

・2014 年度後半以降の半導体産業の動向を考える

開催日時:2014.8.25 13:00〜16:00、 場所:御茶ノ水めっきセンター

[space]2014年8月25日(月)13:00-16:00御茶ノ水めっきセンター4階会議室において、JAST部会主催の「第四回勉強会」を開催しました。今回の勉強会には約50名の方が参加をされました。

司会は、NEDIA事務局次長の小林が務め「第四回勉強会」を開始いたしました。shinshudai_satou

最初のご講演は、「電解水の基本特性及びリードフレーム表面処理への応用」と題して信州大学教育学部 工学博士・教授  佐藤運海氏に約1時間のご講演をしていただきました。

 ご講演の内容は、半導体デバイスをはじめとする精密機器の性能 向上にともない、その構成部品の表面清浄度および表面層における 化学組成に対する要求が厳しくなっています.例えば,研磨工程後 のシリコンウエハや光学ガラスの表面に付着している研磨材微粒 子などを除去しなければならなく、配線工程後の半導体デバイス上 の金属イオン残渣や、リードフレームなどのめっき前の酸化皮膜を 除去する必要があります.そのため、製造工程において、HCl・H2O2、H2SO4・H2O2などの薬液が多量に使用されて、環境負荷の増加および製造コスト高をもたらす恐れがあります。希薄電解水は、環境及び人体に優しい、廃棄処理を必要としない上、化学薬液の替りに これらの精密機器の表面洗浄、処理工程に応用することができると考えられます。この機会を利用して、 皆様に電解水の生成、特性解明、工業材料への影響、さらにリードフレームの表面処理への応用につい て紹介していただきました。

具体的な内容は次のような項目でした。

1.電解水の生成原理

2.電解水の基本特性およびその経時変化

3.工業材料の表面に及ぼす電解酸化水および電解還元水の影響

4.Na2SO4電解酸化水を用いたリードフレーム用銅鉄合金の酸化皮膜除去

 

 続いて約10分の休憩を挟んでネットグラフサービスのオーナーnetgraph_miyoshiをされております三好文明氏に「2014年度後半以降の半導体産業 の動向を考える」をテーマに約2時間の講演をしていただきまし た。

 始めに主要電子機器の動向について話をされました。 スマートフォンは、日米欧で飽和状態になっており買い替え需要 が主体になりつつある。拡大する市場は、新興国向けの低価格品。 タブレット端末は、市場に飽和感が出ている。パソコンは、個人 需要の動きに注目、低価格パソコンの投入が予想される。コンパクトDSCは、スマートフォンに市場を侵食され低迷が続く。一眼レフDSCは、ミラーレスが欧米での 需要不振で回復に時間がかかる。ゲーム機については、据え置き型の新製品は、好調だが従来機は、苦 戦している。自動車は、各国の経済状況の影響もありマダラ模様で低燃費、他燃料での市場投入を各社 推進。FA機器については、日本の出荷が昨年後半から伸びている。エアコンは、中国での販売は、まず まずだが省エネ補助金がなくなった影響は出ている。欧州での景気底打ちからの需要回復に期待。

 次に2013年秋の中国国慶節から市場に異変が表れ始めている。LCDTV、エアコン、冷蔵庫、洗濯機 等の高価格のものが売れており国民の間で格差が起こり始めている模様。

 日本の消費税率引き上げによる影響、特に引き上げ前の前倒し需要の増加と反動減への懸念がある。

 半導体市場の動向としては、スマートフォン、メモリーメーカーの伸びが目立つ、ファブレスメーカ ーにも異変が出始めている。富士通セミコン、ルネサスエレクトロニクス、パナソニック等のメーカー 再編の動き。電子部品メーカーの受注動向としては、コネクタ向け伸銅品の急増、アルミ電解コンデンサーの品不足が目立つ。半導体製造装置は、6月をピークに下落するサイクルになりつつある。

 2014年以降の注目市場としては、CTVの買い替え時期が来ること、サーバーOSの切り替え、高輝度 LED、太陽光発電システム、スマートグリッドシステム、ナビゲーションシステムサービス(DSRC)、医 療機器、3Dプリンタ、ウェアラブル市場、等。

 

 今後の半導体市場の予想としては、今年は、前年比10%の伸びが期待 できるが来年は、減少する可能性JAST4benkyoukaiがある。

 最後に半導体と応用電子機器の市況天気図の説明で締めくくり、講演を 終了いたしました。

 次回のJAST部会主催「第五回勉強会」は、11月19日に実施を予定し ていることと10月30日、31日に実施します「電子デバイスフォーラム 京都」のお知らせをして「第四回勉強会」を終了いたしました。