出典:NEDIA通信No.01

■JASVA Day 九州 2013 および  九州 NEDIA キックオフを開催

テーマ:「半導体アプリの新潮流」

開催日:2013 年 10 月 24 日(木)

開催場所:(財)北九州産業学術推進機構(FAIS) 技術開発交流センター

  2013 年 10 月 24 日(木)に(財)北九州産業学術推進機構(FAIS) 技術開発交流センターにおいて JASVA Day 九州 2013 を開催 しました。台風 27 号が南海上に あり雨が降りしきる中、韓国の 大邱テクノポリスチーム長の崔 (チェ)様も含めた 69 名の多数の 方に参加いただきました。

㈱堀場製作所  理事  佐竹司  氏

㈱堀場製作所 理事 佐竹司 氏

  最初に九州 NEDIA 代表の櫻 井 一郎氏 (櫻井精技㈱代表取締 役)から、JASVA Day 九州とい う名称での開催は今回が最後と なるが、今後も NEDIA として開催していくという開会挨拶があり、「半導体アプリの新潮流」 をテーマとしたセミナーを開始 しました。

 最初の講演は、「HORIBA の 方向性:半導体、エネルギー分 野などへの事業展開」と題し、佐竹司氏(㈱堀場製作所理事 経営戦略本部 科学・半導体事業戦 略室 室長)にご登壇いただきま した。

 ご講演の内容は、堀場製作所 殿のコアである分析計測事業の 特徴は、事業領域は世界規模で も小さい事業、分析計測関連市場は無限ということで、自動車、 環境プロセス、半導体、医療、 科学の各分野において世界中に 研究・開発、生産拠点を 27 か国、32 拠点を展開し、「ワンカンパ ニー」マトリクス経営を推進し,ているという説明がありました。

 また、1953 年創業以来、技術とニーズの結合、技術リソース の拡充、事業買収による拡大の 時期を経て、現在は多方面の技 術および応用分野を確立してい るということです。事業展開の 根底を支えるものは「おもしろ おかしく」であり、テーマは足 を使ってグローバルに探して、 未来のマーケットは自らが創造 するという理念で、成功するに はタイムリー性、ビジネスリー ダーの発掘、市場にあったビジ ネスモデルの選択が重要との説 明がありました。

 さらに、半導体プロセスプラ ズマモニター、半導体プロセス ガスモニター、ナノ粒子測定装 置等のグローバル製品開発レビ ューの実例、R&D のポテンシャ ルを上げるための暗黙知と形式 知の可視化などの各種施策、シ ェールガスを照準とした米国で の事業買収等の具体的施策にも 触れていただき、大変示唆に富 むご講演でした。

ファーストゲート㈱   社長  土肥猛  氏

ファーストゲート㈱ 社長 土肥猛 氏

 

 つづいて、「半導体ベンチャー の展開と医療への取り組み」と題し、大学卒業後 34 年にわたり 半導体製造装置ビジネスを続け られ、その中で 2000 年に現在 の会社を 設立さ れた 土肥猛氏 (ファーストゲート㈱代表取締 役社長 )にご講演いただきまし た。

 全世界に目を向け、スピード 第一で”Only One と Number One 商品”のみを扱いお客様に 提供するをモットーに会社運営 をされてきたということです。

 テフロン性フロートメーター、 精密流量コントロールバルブの トップメーカの Futurestar 社 の製品、テフロン製薬品供給ポ ンプについて US 市場で 50%以 上 の シ ェ ア を 持 つ White Knight 社の製品などのトップ 製品を扱ってビジネスをされて います。

 さて、医療ビジネス取り組みのきっかけは、超解像技術を使 った内視鏡画像解像度改善技術 への展開であり、内視鏡の機種変更の高コスト性および小口径 プローブでの小口径レンズの画像解像度が 低いという 問題 に着目されたということです。内視鏡メーカは、国内ではオリンパス、富士フィルムがあり、ド イツ、中国、イスラエルにも有力なメーカがありますので、そ う いっ た企 業をタ ー ゲ ット に 進めている。 医療機器は薬事法 による認証が必要でクラスⅡに 分類される対外診断用医薬品は 登録認証機関による製造販売認証が必要とのことです。 世界最大の MEDICA(国際医療機器展 )への出品および学会 併設の展示会の活用を行ってい るが、医療機器のユーザーは ” 医者 ”と いう観点でのアプ ロー チが重要とのこと。

 最後に、半 導体の常識のクラス 1 のクリー ン環境とは大きく異なり、細菌 の混入は駄目だが、異物に対し ては半導体レベルは不要とのお 話をされました。

㈱産業タイムズ社   社長  泉谷渉  氏

㈱産業タイムズ社 社長 泉谷渉 氏

 

  セミナーの最後の講演は、「半導体は新アプリ創出で40 兆円マーケット拡大」と題し、1977年以来 30 年以上にわたり第一線を走ってきた国内最古参の半導体記者と言われており、 NEDIA 副会長でもある泉谷渉 氏 (㈱産業タイムズ社代表取締役社長 )にご登壇いただきました。

 半導体産業の現状のアプリの出口は 90%が IT であるが、IT は最大市場のPCが350M 台レ ベルで推移するも今後減少傾向となる。スマートフォンは現在10 億台に迫る勢いがあるが、多く見積もっても20 億台が限界あり、数年のうちに限界に達するだろう。
したがって IT は成熟化の時を迎え、半導体市場規模は 2005 年からの 10 年間は25 兆円程度の規模で推移するだろうとの現状の停滞感を述べられました。

 しかし、2016 年以降は、医療、 環境エネルギー、次世代自動車 などの新アプリが成長し始めて、2030 年には半導体市場は 40 兆 円に成長することは間違いないと強気の見通しを語られていま す。 世界半導体 2 位のサムスンは、医療に力を入れており、世界の医療展示会のブースで最大のエリアを占めており、3 位のクアルコムもメディカル対応の組織を作っているように半導体 大手が次のアプリとして狙っており、また日本でも最先端重粒子線治療装置の設置も進んでいることを示されました。

多数ご出席のセミナー会場

シェールガス革命は、燃料および化学材料のコストを圧倒的に低下させ、米国の製造業の復活を軸に世の中は変わっていく。 これは、関連技術を持った日本企業への追い風になる。アプリ でも燃料電池車の普及および航空機産業の拡大により、それに強みを持つ日本企業にとっては 大きなチャンスとなる。こういったアプリの実例を示されて最後に、NEDIA はそういった成長アプリを含んだ横串的戦略集団であり、日本の産業の発展に 尽して行くということで、講演をしめくくられました。

九州 NEDIA 櫻井一郎  代表

九州 NEDIA 櫻井一郎 代表

 セミナ ーの最後に、 九州 NEDIA 副代表の丸田秀一郎氏 (FAIS 半導体技術センターセン ター長)が、九州 NEDIA の活動 を積極的に展開して行くということで閉会挨拶をされました。

  

   セミナーの終了後、場所をとなりの交流室 A に移し、

 「九州 NEDIA キックオフ」開催とな りました。

   

   キックオフの司会は 泉谷副会 長が務 め、ま ず九州 NEDIA の櫻井代表が主催者挨 拶を行い、つづいて来賓挨拶として北九州市の松崎茂副市長から九州 NEDIA が北九州市を 始

来賓ご挨拶  北九州市  松崎茂  副市長

来賓ご挨拶 北九州市 松崎茂 副市長

めとして九州全 体の半導 体 産業をけん引する 存在とし て 発展して行くよう、激励のお言 葉をいただきました。

乾杯のご発声  FAIS 國武豊喜  理事長

乾杯のご発声 FAIS 國武豊喜 理事長

 つねづね会場準備等で大変お世 話になっています FAIS 國武豊 喜理事長に、産官学一緒になっ て頑張って行こうというお言葉 と共に乾杯の発声をしていただ き、賑やかな歓談が始まりまし た。

キックオフ会場の様子

キックオフ会場の様子

 歓談の途中においても、韓国の崔チーム長およびアスカコーポレーション代表取締役の阪和 彦氏に激励のお言葉をいただき、 キックオフは大いに盛り上がりました。最後に、九州 NEDIAの石井正明副代表 (アサヒエンジニアリング㈱ 代表取締役社長 )の閉めの挨拶により、九州 NEDIA キックオフは成功裏にお開きとなりました。